● こんにちは、あさてつです。
世の中、素晴らしい名言を残しているのは、何も欧米の方々だけではありません。
例えば戦国時代の武将というのは、現代に通用するカッコいい名言を残しています。最近そういった戦国武将の名言について興味が湧いてきて、書籍などをまさぐっているのですが、そのうちふと、ある考えが湧いてきました。
「戦国武将のカッコいい名言を英語に起こしてみたい!」
ということで、ここから何回かにわたり、「日本人の名言を英語にしてみた」をお送りしていきたいと思います。独力で英訳しているので、こっちのほうが表現きれいじゃね?っていうのも多少出てくるかとは思いますが……解釈の一つとしてご覧いただけたら幸いです。
これが戦国武将のカッコいい名言だ
今回は「武将編」ということで、日本の代名詞とも呼べる「戦国時代」に活躍していた武将の名言をピックアップしてみました。
「不自由を 常と思えば 不足なし」
はい、まずはこれからいってみましょう。この名言は誰が言ったものか分かる人は戦国武将通ですね?それにしても日本語は5・7.5のリズムがやはり美しいですね。
この名言は江戸幕府初代将軍、徳川家康の名言です。これを英語にしてみましょう。
【英訳】
Regard inconvenience as the ordinary, and you’ll be able to live in comfort.
「不自由を常の状態であるとみなしなさい、さすれば何も不足のない(快適な)暮らしができるだろう」
regard A as Bで「AをBとみなす」、という表現を突っ込んでみました。英文を意識してIf you と丁寧に書き出してみることも考えたのですが、名言が名言たる所以として、やはり思い切った言い切りと完全な上から目線があるなと思い(笑)、命令文で書いてみました。
【その他使ってみた表現】
inconvenience:不自由、不便
the ordinary:普段の状態
‘ll be able to:(will be able to)~できるだろう
live in comfort:快適に暮らす
これは特に現代人に届けたい名言の一つですね。物も情報も溢れる昨今、すべて満ち足りる状況こそが望ましいと感じ、また実際それが叶い得る状況の中、それが叶わないことを不便、不快に感じてしまう……そうなると、イライラなどネガティブな感情が蔓延してしまう……。誰も幸せにならないですよね。
足りない状況になるのが普通なんだと思っておけば、ネガティブな感情も生成されずに済みそうですね。
「絶対は 絶対にない」
非常に端的でシンプルな表現ですね。これは織田信長の遺した名言です。なんか信念を感じますし、短いながらもシブい表現です。これも英語にしてみると……
【英訳】
Never say never.
「『絶対にない』とは『絶対に』言わ『ない』」
絶対、はabsolutelyという表現もあるんですが……原文の簡潔さをそのまま生かせるよう、Neverを使って単語自体も短く、語数も少なくしてみました。
絶対にない、を絶対に言わないという風に動詞を補ったのですが、絶対に「ありえ」ない、と出来事が起こるという方面で捉えたほうが原文のニュアンスに近かったかもしれません…(そうすると語数増えるよなぁというジレンマ)
絶対、と言い切れる物事は存在しない、ということですね。あくまで可能性が高いとかゼロに近いっていうだけの話。
確かに、絶対効だと言い切ってしまうよりも、出来事が起こってもいいような備えだったり対応だったりというのが臨機応変にできることの方がスマートですよね。
「罰を薄くして賞を厚くせよ」
これは薩摩国(今の鹿児島)の守護大名、戦国大名だった島津義久の遺した名言です。上に立つ者として、家臣に対する心構えが述べられているんですね。
これも英語にしちゃいましょう。
【英訳】
Reduce punishment and give more prizes.
「罰を減らし、より多くの賞与を与えよ」
Reduceは「3R」の一つでも使われているので、もう日本にもなじみ深い単語になっていますね。やはり上に立つ者としての心得という視点は変えたくなかったので、giveを使ってみた感じです。
これダメ、とばかり抑制したり威圧的になってしまうと、育つ能力も育ちませんし、何よりそれに怯えてしまうのは働き方として精神衛生上よろしくないですよね。その代わり、できたこと、やってくれたことに対して賞与とまではいかずとも褒めてやる、礼を言うなど、ポジティブな言葉がけができると、もっとそれに応えてくれるようになったり正のスパイラルが生み出されそうです。
上司と部下、だけではなく子育てにも応用できる名言なのではないでしょうか。
「常に法度の多きは宜しからず」
先の島津氏の名言とどこか通ずるものがあるように思えます。これは、信濃上田藩の初代藩主、真田信之の言葉です。
これも英語にしてみましょう!
【英訳】
It’s not good to always give a lot of prohibition.
「常に多くの『禁止』を与えることはよくないことである」
某翻訳機能を少し使ってみたら、「宜しからず」を「Not Shikara」と変換されました… 笑うしかない。(他にも珍翻訳の報告がネット上では見られます、Arigataki Happinessとか(笑))
法度、とは決まりやルールといった感じですが、彼が活躍していた安土桃山時代のあたりは、ルールといったら、「~するべからず」、つまりは「~しちゃだめだよ」の形式で書かれることが多かったんですよね。そう考えると、法度の対訳がprohibitionになるのもうなずいていただけますでしょうか?(笑)
これも先の名言同様、抑圧ばかりでは能力の発揮の妨げになるということですね。
「不幸な時こそ、本当の友情がわかる」
これは加賀藩、前田利家の言葉です。武将の遺した言葉というと、どうしても戦略的なものについてだったり対家臣に関するものだったり…そういったイメージもあり、まずは同業者の間で広まっていったような気がするのですが、これは当時でさえも一般人の共感を得そうな言葉ですね。
これ、実は古代ギリシャの哲学者・アリストテレスも似た言葉を遺しているんです。アリストテレスの言葉は、「不幸は、本当の友人でない者を明らかにする。」でした。(やはり欧米系の方の名言は無生物主語が多い気がしますね)
それの英訳がこちらです。
【英訳】
Misfortune shows those who are not really friends.
前田利家もまた、アリストテレスと同じようなことを考えたり感じたりしたのでしょうね。
あとがき
いかがでしたでしょうか。日本人の名言を英語にしてみたシリーズ。日本という国に住んでいても、日本人の遺した名言に触れる機会はなかなかありませんよね。しかし、実際に見てみると時代や国を問わず胸に響く名言が多く存在します。
是非一度、この国を形作ってきた彼らに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
また会いましょう。
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