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All the world’s a stage
世界は舞台である
「辞書の例文に最もよく使われているフレーズの生みの親」ともされる、ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare)。16世紀後半、イギリス・ルネサンス演劇を代表する劇作家です。彼がいなければ今日の演劇界はまったくの別物になっていたといっても過言ではないでしょう。
彼の基本理念は、「人生はすべて演劇(フィクション)である」というもの。それを代表させるのが先のAll the world’s a stageです。
実はこれ、続きがあります。以下の文を読んで見てください。
All the world’s a stage, and all the men and women merely players.
「世界は舞台であり、男も女もその役者に過ぎないのである」
考えれば考えるほど奥の深い表現…。
舞台に限らず、漫画やアニメ、小説の登場人物はそれぞれに個性が強く、志も高く、キャラが立っていますよね。そんな風に、3次元の人間も生きていくことができたら…というか、私は生きていきたい(ΦωΦ)。
そういう風に生きてもいいんですよー、周りの制約気にしすぎちゃダメよーとエールを送ってもらえるような、そんな言葉です。
似たような考え方をしている偉人も多いのですが、ご存知の通り、これは彼の作品の一つ「お気に召すまま」に出てくるフレーズ…というより「セリフ」です。登場人物がこのセリフを言っていると考えると、メタ的な要素もあり、更に面白いですね。
彼の作品は悲劇・喜劇問わず、彼のもう一つの肩書である「詩人」を感じさせる言葉遊びと、イギリス流のブラック・ユーモアの匂いを感じさせるセリフも魅力の一つ!
そんなシェイクスピアの遺した名言…というか、彼がキャラクターに語らせた「名台詞」を今回ご紹介します!ぜひ今宵は彼の文学と名言を堪能してみましょう。
- これがシェークスピアの奮える名言だ
- One sorrow never comes but brings an heir. That may succeed as his inheritor.
- The miserable have no other medicine but only hope.
- Unfortunate cheer! If it was abandoned by a goddess of luck and fell in lowest circumstances in this world, a worrying seed and everything are hopeless for being soon left also!
- Do not, for one repulse, forego the purpose that you resolved to effect.
- To climb steep hills requires a slow pace at first.
- あとがき
これがシェークスピアの奮える名言だ
One sorrow never comes but brings an heir. That may succeed as his inheritor.
「悲しみが来るときは、単騎ではやってこない。かならず軍団で押し寄せる。 その悲しみの跡継ぎとなるような連れを」
いきなり悲しみ・つらみの極みですけども(笑)個人的にはこの倒置法な感じの表現が気に入っています。
嫌なことって、重なりますよね。足を怪我してしまってかばって歩いていたらもう片方の足をひねってしまったり…電球が一つ切れるとそのほかの電球も続々と切れたり…(実話)
でも、400年以上も昔に生きていたシェイクスピアだって、現代の私たちのやるせなさに寄り添ってくれているんです。そう考えたら、少し…立ち直れそうです……
また、彼はそこからさらに前向きにさせてくれるようなセリフも遺してくれています。
The miserable have no other medicine but only hope.
「不幸を治す薬は希望より外にない」
Unfortunate cheer! If it was abandoned by a goddess of luck and fell in lowest circumstances in this world, a worrying seed and everything are hopeless for being soon left also!
「不運ばんざい!運の女神に見放され、この世の最低の境遇に落ちたなら、あともう残るのは希望だけ、不安の種も何もない!」
立て続けに2つほどご紹介。
シェイクスピアの作品には、彼の人生観がスッと一本通っていて、違う作品から似たようなフレーズがたくさん出てくることも多いですよね。それがまた彼の作品の魅力なんです。
嫌なこと続きの毎日の中で、「不運ばんざい!\(^o^)/」とか叫べたら、一気に打開策が見えてきそうですよね。何事にも必ず解決策があるから投げ出しちゃダメよーって、言われている気分になります。
実際、そんなことも言っています。
Do not, for one repulse, forego the purpose that you resolved to effect.
「成し遂げんとした志を、ただ一回の敗北によって捨ててはいけない」
これは「テンペスト」という作品の中のセリフです。この作品自体は、彼の作品を挙げるうえではなかなか出てこないかもしれません。(ハムレットとかロミジュリの印象が強いですよね)
そうです、たった一回でめげちゃだめです!だって、悲しみは必ず軍団で襲ってくるんですから!(笑)
それはさておき、志の達成のためには挫折はつきものである、ということですね。なかなか人生思うようにはいかないものです…。
では、そもそもその「志」を実現するための第一歩はどうすればいいのか?シェイクスピアさんはちゃんと答えを用意してくれています。
To climb steep hills requires a slow pace at first.
「険しい丘に登るためには、最初にゆっくり歩くことが必要である」
もっと丁寧に訳すと、「険しい丘は最初のゆっくりとしたペースを必要とする」という感じ。日本語風に言うと「急いては事を仕損じる」といったところでしょうか。この「丘」を主語にするあたりがまずかっこいい(笑)
途中で息切れしてしまったり怪我をしてしまったりしたら、モチベーションもテンションもダダ下がりですよね。
まずは「ゆっくり歩」き始め、たとえ途中でくじけそうになっても「たった一回の敗北によって捨ててはいけない」と立ち上がって・・・悲しいことが続いても「不運ばんざい!」と叫んで希望を見つけ・・・やがて最終的に志を実現させられるような、そんな人生を送りたいですね。
あとがき
さて今回はいかがでしたでしょうか。ウィリアム・シェイクスピアの残した英文はどれも難解だと言われていますが、じっくり味わうと何とも言えない気品に漂っています。
ぜひこの稀代の劇作家の英文、ゆっくりと味わってみてくださいね。
また会いましょう。
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