● いつもありがとうございます、あさてつです。
突然ですが、英語にも種類があるのはご存知ですか?まずは皆さんご存知の「アメリカ英語」。日本における英語教育ではこの「アメリカ英語」が基準とされています。例に漏れず、私も「アメリカ英語」の使い手となったのですが……
学生時代、語学研修でロンドンに行ったとき、スタバのような雰囲気のカフェでサンドイッチを注文したんです。その時なのですが、
店のおっちゃん:Which do you want?
「どのサンドイッチがいいんだい?」
ショーケースの中には、ハムがはさまったもの、レタスがはさまったもの……などなど、いろんな種類のサンドイッチが並べられていました。
私:Tomato, please!
「トマトのやつがいいな」
おっちゃん:「!?」
固まるおっちゃん、動揺する私。
私:Ah……t-o-m-a-……
「えっと、t,o,m,a……」(アルファベットを一つずつ挙げる)
「英語の発音がきれい」と言ってもらえることが多い私にとって、この出来事はショックでした。
先述の通り、私はアメリカ英語の使い手、tomatoを「təˈmeɪtoʊ(トメイトウ)」と発音したんですね。ところがおっちゃんは恐らく生粋のブリティッシュ、「təˈmɑːtəʊ(トマァトウ)」と発音したんです。
そう、「英」語の元祖である「イギリス英語」があるんですね。クイーンズイングリッシュ、と呼ばれることもあり、上品な音の響きというか雰囲気というか……憧れを抱く人も多い「英語の方言」です。
プロローグが長くなりましたが、今回は「イギリス英語」を取り上げていきます!先の例のように、発音の話ではなく(文字だと限界がw)、皆さんご存知のアメリカ英語と対比しながら、「アメリカ英語ではこの単語だけどイギリス英語ではこの単語を使うよ」というのをご紹介していきますので、ぜひセットで覚えてみてくださいね。
これが間違いやすいイギリス英語とアメリカ英語の違いだ
ガソリン、石油
まずgasやgasolineという単語が思いつきますね。でもこれはアメリカ英語。イギリス英語ではpetrolと言います。
例
Gasoline is referred to as petrol in Britain.
「gasoline(石油) はイギリスでは petrol と呼ばれる」
petroleumという単語もありますが、これはイギリス英語で「石油」を表します。OPEC(石油輸出国機構)にも使われている単語ですね。(Organization of the Petroleum Exporting Countries)
階数表現
これは有名な話ですね。アメリカ英語では、1階=first floor 2階=second floor 3階=third floor ……とカウントしますが、イギリス英語では、1階=ground floor 2階=first floor 3階=second floor ……とカウントしていきます。ですので、
例
A: I want to buy some books.
「本が買いたいんだ」
B: You can buy them on the first floor.
「ああ、first floorで買えるよ」
という会話は、そこが「アメリカ英語の世界」なのか「イギリス英語の世界」なのかでAさんがどこに行くべきか、本屋さんが何階にあるのかが変わってきます。思わずマジかよ!って思ってしまうお話です。
前者であれば1階、後者であれば2階になってしまいますね。迷子にならないように注意しないといけませんね(笑)
紙幣
皆さんはどんな英単語を思い浮かべましたか?billという単語を思い浮かべたあなたは、アメリカ英語の使い手です!イギリス英語ではnoteという単語を使います。
10ポンド紙幣、と言いたければa ten‐pound noteと表現します。
例
I paid in pounds [with a ten‐pound note].
「私はポンドで[10 ポンド紙幣で]払った」
ちなみに、billという単語はイギリスでも使われます。その際は、アメリカ英語で言うところのcheck「伝票」という意味になります。同じbillでも、先ほどのfirst floor同様意味が変わってしまうのは、おもしろくもありちょっと危険でもあり……と言った感じですね。
ポテト
日本では「フライドポテト」なんて言いますが、これは「日本英語」、要は和製英語です。英単語を思い浮かべてみましょう。french fries、これがアメリカ英語です。chipsと言うのがイギリス英語。
例
A: Mashed potatoes or chips?
「マッシュドポテトかフライドポテト、どちらが良いですか?」
B: Chips, please.
「フライドポテトで」
伝統料理、フィッシュ&チップスというのがありますよね?白身魚のフライとフライドポテトの盛り合わせです。(お店によってはちょこっと野菜が添えられていたりします)
ロンドン市内のいろいろなお店で£6くらいで食べられます。ちょっと味にこだわりたいときには、日本で売られている観光ガイドに載っているお店に行くのが(少し値段が高いですが)お勧めですよ。
ちなみに和製英語もなかなか侮れません。こちらにまとめた記事がありますのでぜひ参考にしてみてください。
⇒ 海外では通じない「車」に関する和製英語はこれ。まったく英語で通じないぜ!
⇒ ちょそれ「和製英語」です!海外では絶対通じない英語表現をまとめてみた!
⇒ え!「ハイテンション」って実は違う意味の英語表現だった?和製英語は怖いっす!
ポテトチップス/ポテチ
先ほどのchips、こっちを連想した方もいらっしゃるかもしれません。確かにアメリカ英語ではpotato chipsと言うので、chipsという単語が使われます。イギリスではまた単語が違うんですね。分かりますか?
正解はcrispsです。crispには「パリパリする」というような意味があり、この言葉のチョイスにはなるほど納得ですね。
To provide an automatic potato crisp fryer automatically slicing, frying and conveying potatoes and providing customers with hot potato crisps from the fryer on the spot by just inserting the potatoes (with skins) into a potato insertion cylinder.(weblio辞書)
「じゃがいも(皮付)をポテト投入筒へ投入するだけで、スライス・揚げ・搬送を自動的に行ない、アツアツをその場でお客様に提供できるポテトチップ用自動フライヤーを提供する。」
ちょっと長い例文ですが、なんととある省庁で使われている文章。文法の勉強としても、ぜひ解読に精を出してみてください(笑)
タクシー
taxiを連想しますよね?これがイギリス英語です!ちょっと意外ですか?
日本では、車は左側を走ります(=対向車は自分の右側にいますよね)が、海外では右車線になっているのはご存知でしょう。この日本の車線ルール、実はイギリスの真似。つまり「海外では」と書きましたが、イギリスは日本と同じ「左車線」なのです。ということで、道路関係はイギリスのものを参考にしていることが多いのかもしれませんね。
アメリカ英語ではcabと言います。
例
A: How did you go there?
「どうやってそこまで行ったの?」
B: I took a cab.
「タクシーを使ったんだ。」
これがアメリカ英語での会話……ということですね。Yellow Cabという言葉をご存知の方も多いでしょう。アメリカの各地で使われている、タクシー会社の名称です。ちなみにこのyellow cab、スラングにもなっているそうです。(あまりいい意味の言葉ではないので、意味合いだったりなんだりは割愛します……)
サッカー
もちろん、soccerという単語が連想されますよね?これはアメリカ英語。だって皆さんが日本の英語教育で学んだ言葉なんですから(笑)
footballという単語を使うのが、イギリス英語。そもそもsoccerはassociation footballの略なんだとか。
例
A: My favorite sport is football.
「私の好きなスポーツはサッカーだ。」
B: Me, too!
「俺も!」
スポーツの種類としては、フットボールは「アメリカンフットボール」や「ラグビーフットボール」などと複数種類があり、そのassociation footballとの差別化を図るためにsoccerという単語が広まったり定着したりした……という話もあるそうです。
あとがき
さて、いかがでしたでしょうか。郷に入っては郷に従え、なんてことわざもありますが、別にアメリカでtaxiと言っても通じますし、イギリスでsoccerと言っても理解してもらえます。階数表現も、指で数字を作ってあげれば伝わるでしょう。
あまり身構えず、楽しく両者の違いを学んでいけたら良いですね。
また会いましょう。
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